臭みのない豚骨スープを初めて開発したラーメン店

NIPPON一ラーメン大好き高木純です。

豚骨ラーメンが美味しいと有名な土地は、博多。 その博多でも最も人気なのが天然とんこつ100%ラーメンの「一蘭」です。 一蘭の特徴のひとつは、その独特な店内です。ひとりひとり個別に仕切りがあって、 調理場ともカーテンで仕切られ、完全個室にいるような感覚に陥ります。 これは、お喋りや他のことに気を取られることなく、一蘭の豚骨の味に専念して味わって欲しいとの願いがあっての構造なのです。 一般の豚骨スープは、豚の骨を煮込んだだけなので、 どうしても臭みが出てしまいます。

ひどい店は外にまで豚骨の臭いをプンプンさせているところもあり、そんな店は長く続いていません。 一蘭の豚骨スープは、高度な技術が施された特殊な製法でつくられています。 その製法は厳重に企業内秘密とされており、メディアの取材は受けますが、 試作品を研究員がいくつも食べてお腹一杯になりながら苦労しているシーンはオンエアOKですが 、その製法だけは絶対に明かしませんし、研究室の中にも入れてもらえません。 ただ、少しわかっていることは、豚の骨を煮出していく過程で発生する余分なアクを丁寧に取り除くことにこだわっています。 これを急いでしまうと、スープに濁りが出るため、アクの除去には辛抱強く時間をかけているのです。 これによって、豚骨のうま味をそのまま残し、ほとんど臭みがない天然100%の豚骨スープをつくり出すことができるのです。

一蘭は、臭みのない豚骨スープをつくり出した初めての店といわれています。 豚骨スープ特殊製法のひとつのヒントを紹介しましたが、これは一蘭の持つ技術のひとつに過ぎません。

また、臭みのない豚骨スープをつくり上げたら、温度管理や濃度の管理を時間を区切ってしっかり徹底してやっています。 そうすることで、スープの味や品質を維持することができるのです。 また、一蘭はマシンだけに頼らず、職人の舌も頼りにしています。進化した技術を駆使する一方で、 アナログ製法で職人に実際に舌で味を確認してもらうことも開発過程の一行程です。 温度計などいろいろな計器を使用しており、それらがどれかひとつでも規定に定められた範囲からはみ出した数値を示したら、 すべてスープを捨てて一から作り直します。

儲けは度外視し、まずはお客さま第一の精神を貫いているのです。 麺と一蘭の豚骨スープの絶妙な絡みを実現するコツは、 どんぶりに豚骨スープを注いでから30秒以内に麺を投入することです。